新たな航空運送アライアンスによるサステナビリティの向上

2019年2月5日

1.5℃を超える気温上昇の壊滅的な影響から人類を守るため、企業は気候変動を抑制するための行動を今後も継続していかなければなりません。BSRでは、個別企業の直接的な温室効果ガスの排出削減だけでなく、事業活動の上流や下流を含むバリューチェーン全体での取り組みが重要と考えています。

国際物流においては、これまで海運における企業アライアンス(クリーン・カーゴ・ワーキンググループ)と、アジアパシフィック地域における企業アライアンス(グリーン・フレート・アジア)の2つを推進してきましたが、この度、新たに航空貨物輸送の分野で、バイヤーとサプライヤーの双方が排出量の削減について協働するユニークなフォーラム「サステナブルな航空貨物アライアンスSustainable Air Freight Alliance(SAFA) 」が設立されました。現在、同アライアンスは会員を募集しています。

世界各国がパリ協定の下、それぞれ国を挙げての取り組みを進展させる一方で、産業界は結集して大規模な排出削減を推進する力を持っています。

その一例として、2018年4月国際海事機関(IMO)は、海運部門が2050年までに排出量を2008年時に比べて半減させる目標を発表しました。

世界各国がパリ協定の下、それぞれ国を挙げての取り組みを進展させる一方で、産業界は結集して大規模な排出削減を推進する力を持っています。

現在、航空輸送による二酸化炭素の排出量は世界の約2パーセントを占めています。一方、航空貨物分野は2050年までの間に、他のどの分野よりも高い年間5%の成長を見込んでおり、それによって排出量を大幅に増やす可能性があります。近年、航空輸送業界はエア・カーボン・イニシアチブと共に、国際航空輸送協会(IATA)とグローバルカーボンロジスティクス排出評議会を介して合意されたプロトコルを通じて、業界全体としての関与に取り組んでいます。更に航空業界では、国際民間航空機関(ICAO)、IATA、および個々の航空会社による主導により、パフォーマンスの向上と二酸化炭素排出量削減の宣言(commitments)を達成することができました。

しかし一方、協働による解決の鍵となるような、利害関係者たちが直接B toBレベルで行動するフォーラムはありませんでした。また報告や必要な意思決定のために、荷主が航空会社に要求する環境パフォーマンス情報の活用や使用に関しても、全般的に透明性の不足がみられました。

このギャップに対処するため、大手航空会社、荷主および貨物運送会社が一丸となって「サステナブルな航空貨物アライアンス(SAFA)」を設立し、航空貨物からの二酸化炭素排出量を調査、削減し、責任ある航空貨物輸送業務を遂行するためバイヤーとサプライヤーの協働によるコラボレーションを立ち上げました。

15社を超える企業の積極的な支援を受けて誕生したSAFAは、より多くの企業の加盟を呼びかけています。現在の参加企業はDBシェンカー、DHL、フィンランド航空、GEODIS、H&M、マースク、ナイキ、ユナイテッド航空などです。

航空輸送のサステナビリティを推進するフォーラムSAFAは、以下の目的でコラボレーションのプラットフォームを企業に提供します。

  • それぞれのニーズを理解するためビジネスパートナー間の対話を推進し、長期的なビジネス関係の強化を図る
  • 企業と業界のサステナビリティの取り組みへのリーダーシップを促す
  • 総合的な知識と行動を活用することで、航空貨物業界に対する規制強化などのリスクを減少させる
  • 正確に排出量を測定し報告する
  • ICAO、IATAの活動、およびセクター別の課題に対応する国際標準の形成を推進する
  • サステナビリティに関する情報、GHG排出量削減の成功事例、そして企業の目標達成に役立つイノベーションなどを共有する共同フォーラムに参加する

サステナブルな航空貨物アライアンス(SAFA)に関心のある方は、担当者宛にご連絡ください。

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