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Redefining Sustainable Business: Management for a Rapidly Changing World

Monday January 29, 2018

このレポートは、BSRが過去25年間、様々な企業(本社から遠隔地、調達場所まで)とステークホルダーとの協働によって得た経験をもとに、既存の概念が破られつつある世界に適合するために、企業の戦略、ガバナンスとマネジメントをどのように変化させるかを考察したものです。

内容は、会員企業のサステナビリティ幹部50名へのインタビューと2017年グローブスキャン社と共同で行った調査「State of Sustainable Business 2017」(BSRと同社が継続的に実施)に基づいています。

なぜこのレポートが重要なのか

サステナビリティの取り組みにおいて、ビジネスの役割が今日ほど重要であることはありませんでした。1992年のBSR設立以来、気候変動、人権問題、高度な透明性の確保など広範にわたる課題に対して、持続可能な社会に向けての進展がありました。しかし現在、まだ多くの企業がその戦略、ガバナンスや経営構造の中にサステナビリティを包含することに困難を感じています。このレポートは、公正でサステナブルな世界の実現に向けて企業が十分な責任を果たすため、「サステナビリティを事業の中心に据えた青写真を提供すること」を目的としています。そしてサステナビリティが企業内でどのように実践されるかについて焦点を当てています。

BSRはサステナビリティの実現に向けて、変化に対応できる(resilient)事業戦略の採択を目指す企業のために、新しく以下のフレームワークを開発しました。

1

Act 行動する

持続可能な事業目標達成のために、変化に対応できる事業計画やガバナンス、経営手法を構築する

Download Act Section

2

Enable 可能にする

ステークホルダーやバリューチェーン全体に関わるパートナーたちと、互いに利益を享受できる協力体制を築くことで全体的な発展を促す

Download Enable Section

3

Influence 影響を与える

「事業の商業的成功」と「公正でサステナブルな世界の実現」の結びつきを強化する政策的フレームワークを推進する

Download Influence Section

Act 行動する

持続可能な事業目標達成のために、変化に対応できる事業計画やガバナンス、経営手法を構築する

戦略と評価

世界は、企業の事業戦略や新たな価値の創出に影響を与える膨大な要因と共に変化しています。新しいエネルギーシステム、既存の基準を塗り替えるような技術革新や新たなビジネスモデル、人口動態の変化、透明性や地政学的不確実性などによって、企業を取り巻く経営環境は変化し続けているのです。

急激な社会変化への最良の対応は、これまで同様にサステナビリティを企業戦略に取り入れることではなく、価値の創出と事業戦略を、全く新しい方法で開発することだと考えます。サステナビリティを企業戦略の中に統合する個別のサステナビリティ戦略の時代は終えなければなりません。そしてサステナビリティを事業戦略の基礎として取りいれて、変化に対応できる戦略の構築を始めるべきです。

この新しい時代の到来に向けて、3つの変化を起こす必要があります。まず1つ目は、サステナビリティを基本とした変化に対応できる事業戦略の構築。2つ目はサステナビリティ推進の妨げとなり得る短期的な業績達成のプレッシャーを乗り越え、長期的な価値の創造に注力すること。3つ目はビジネスと共鳴し合いながら、サステナビリティへのインパクトを重視し成果を測定する新たなツールと手法を開発することです。

Elements of Resilient Business Strategy

ガバナンス

サステナビリティを取り入れた変化に対応できる事業戦略を作り上げるためには、取締役会がサステナブルなビジネス課題に対して、より積極的な役割を担うことが求められます。

成果を得るためには具体的なステップが必要となります。国連の持続可能な開発目標(SDG)、気候変動に関するパリ協定や企業と人権に関する国連指導原則など世界のサステナビリティへの取り組みが一層注目される中で、これらの課題への対応が可能で、立ち上がる民間企業のリーダーが大幅に増えてきました。

調査によれば、取締役会や管理職のリーダーたちはサステナビリティ課題に対して今まで以上の注意を払うようになっています。取締役会が長期的価値を生み出し、変化に対応できる事業戦略を推進するために、ここで6つの新機軸をご紹介します。

  1. サステナビリティの監視や実績の精査よりも、長期的価値の創出の重要性を強調する
  2. 取締役会のサステナビリティに対する監督責任を強化する
  3. サステナビリティに対する功績にインセンティブを提供する
  4. サステナビリティの戦略的意義への理解と知識を有する管理職を採用する
  5. 実質的なサステナビリティの課題に取り組むためのトレーニングを実施する
  6. 外部諮問機関を設置する

リーダーシップとマネジメント

変化に対応できる事業戦略の構築と遂行には、サステナビリティ課題に対して組織的なリーダーシップを促す、新しいタイプの実行力のあるリーダーシップが求められます。

この実行力あるリーダーシップへの変容を起こすためには、3つの分野での取り組みが必要です。「多様性」、「リーダーシップのスタイル」と「イノベーション」です。


Leadership Transformation


変化に対応できる事業戦略の構築と遂行には、サステナビリティ担当部門の職務内容の全面的な見直しが必要となるかもしれません。私たちは、サステナビリティ部門は、今後4つの新しい機能を持っていくだろうと考えます。

「新しい価値のクリエーター」、「未来の提唱者」、「変化を起こす人」、「連携の実践者」の4つです。他の部署と協力し合う上で、サステナビリティ部門は慎重に組織化され、よく考慮されたアプローチで取り組まなければなりません。しかし、もしこの4分野で成功できれば、サステナビリティ部門はイノベーションが差し迫って必要な現在、まさにイノベーションの原動力として目標に向かって前進ができるのです


サステナビリティ・プロフェッショナルの新たな職務

サステナビリティ部門は、新たに自らの価値と将来を以下の4つのアプローチで定義し直す必要があります: 「新しい価値のクリエーター」、「変化を起こす人」、「連携の実践者」、「未来の提唱者」

New job descriptions


*1.Actに続いて、2.Enableや 3.Influenceの章を含んだレポート全体(英文)は、以下からダウンロードしてお読みください。

Full Report

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