2023年第1回人権分科会を開催しました

BSRでは、企業が国連のビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)の導入を支援するために、2012年に人権分科会を設立しました。現在グローバルで50社以上が参加し、日本からは10社が参加しています。2023年7月18日と19日の2日間にわたって第1回の人権分科会を東京で開催し、バーチャルと対面のハイブリット形式で約60名の方に参加頂きました。

Photo from the meeting with Asako, Jenny, and Richard

今回の人権分科会には、BSRのマネジング・ディレクターで人権チームを統括するJenny VaughanおよびBSRのテクノロジーと人権のディレクターであるRichard Wingfieldも来日して人権分科会に参加しました。

人権分科会の1日目には、欧米を中心としたビジネスと人権に関する法規制の動向や、多国籍企業の訴訟案件について解説をしました。また、欧州コーポレートサステナビリティ デューデリジェンス指令案も踏まえ、人権と環境のデゥーディリジェンスの統合をどのように進めれるのかについて、ワークショップ形式で議論をしました。さらに、アジア太平洋地域のビジネスと人権のリスクに関して、ミャンマーやインドネシアでの動向や、インドネシアを中心としたニッケル採掘における人権リスクについて解説をしました。1日目の最後には、バリューチェーン下流のデゥーディリジェンスの取組みについて、海外からゲストスピーカーをお呼びして具体的な企業の取り組み事例を紹介頂きました。

2日目には、法案化が見込まれている欧州のAI規制の概要の説明や、テクノロジー企業以外のAIによる人権影響について議論をしたり、高リスク地域におけるテクノロジーの人権リスクについて議論をしました。また、ワークショップ形式でサプライチェーン行動規範のレビューを実施したり、国連ビジネスと人権ワーキンググループのメンバーをお呼びしてワーキンググループの重点分野、UNGPsの普及活動や、高リスク地域における人権を促進する活動などをお話頂きました。

Photo from the meeting

人権分科会では、ビジネスと人権に関する最新動向を学ぶだけではなく、参加者同士で情報共有を行うネットワーキングの場としても活用頂いています。今後も日本企業がUNGPsに沿った取り組みを進めるために、BSRは人権分科会を通じて情報共有や企業間の活発な意見交換を推進していきます。